ニューヨークに移り住んでかれこれ15年。イヤイヤ期に突入した息子と片付け上手な名古屋っ子の妻を持つ40代の僕が走ろうと思い立ったのは、セントラルパークにほど近い今のアパートに引っ越してから3年目の初夏のことでした。この街で暮らすのもそう長くはないかもしれないと考えたとき、「この美しいセントラルパークの四季を走り、肌で風をうけ、呼吸し、踏みしめたい。」という思いが湧いてきました。
なにしろ長年ガレージの奥で埃をかぶり錆だらけになった年代物の車を走らせようというのですから、万が一に備えて保健カードをポケットに入れて、無理をしないように休みながら少しずつ走りました。20年以上のほとんどの時間をパソコンの前に座って過ごしていたので、自分の体がどこまで応えてくれるのか分からなかったのです。
1キロ先のレザボア(ため池)まで走ろう、池を一周しよう、ループに出よう、そうやって毎日少しずつ記録を更新しています。すっかり走るのが好きになり、これから何処にいてもずっと走り続けたいと思うようになりました。きっと距離や時間の記録には限界があるのかもしれません。それでも毎日が昨日とは違う新しい記録です。A New Record! Everyday.
もしニューヨークに来たらぜひセントラルパークを走ってみてください。一周9.7キロのパークドライブのフルループやレザボア(ため池)の周り2.8キロを走れば、ジョギングやサイクリングを楽しむたくさんの人や、ホタルや蝶、リスやアライグマ、季節の草花や表情を変える木々の葉、そして僕GTに会えるかもしれません。